Web Starter Kitの紹介記事をHTML5Experts.jpに書かせてもらった。
記事では機能紹介を中心に書いたけど、書いてる途中に色々と考えることがあったのでつらつらと。
Web Starter Kitの薄さとワークフロー
草稿の段階では「Web Starter Kitで実現できるワークフローをメインに紹介して、その後Web Starter Kitを使いながらページを作る」という前後編の構成で書いてた。でも後編の「Web Starter Kitを使いながらページを作る」がうまく書けなかったので、機能紹介だけする形に切り替えた。
書けなかった理由はいくつかある。
- Web Starter Kitの薄さ
- ワークフローは個人に最適化される
- タスクランナー(gulp)が中心にいる
WSKが用意してるのは少々のボイラープレートとUI Componentと設定済みのgulpタスクだけ。いざWSKを使ったページ製作を紹介しようとしても、実際にWSKを使う状況との乖離が大きすぎてうまく書けなかった。
WSKが薄いので実際に使おうとしたら色んなものを足すと思う。主にライブラリとgulpタスク。プリプロセッサもSassを使うとは限らない。誰もが同じワークフローになるとはとても思えない。そういう意味でも無理にワークフローを紹介する意義は薄いと思った。
タスクランナー入門としてのWeb Starter Kit
ワークフローって結局人それぞれに最適化されるもので、じゃあWSKってなんなの?っていうと「タスクランナーを使った自動化」の敷居を下げる存在なのではと思った。
環境構築の手間が減るわけじゃないけど「Gruntとかgulpむずかしそう…」と思ってる人が触るにはいいテンプレートだと思う。
Wsb Starter Kit = gulp Starter Kit
オートリロードだったりコンパイルだったりminifyだったり、WSKってgulpが中心にいてgulp前提の作りになってる。ボイラープレートもたしかに便利で良い物なんだけど、じゃあそれそのまま使うかっていうと別の話で、WSKは色んなファイルの中身を覗き見て参考にするものだと思う。
自動化、効率化の恩恵を受けよう
世の中には色んなツールやライブラリがあふれてる。使わなくたって目的は達成できるだろうけど、圧倒的に使ったほうが良いものもある。Gruntやgulpみたいなタスクランナーがまさにそれで、いまどきの開発にはもはや必須なのではと自分は思ってる。
これはただ便利ってだけの話じゃなくて、自動化によって生まれた時間が別のことに使えるから。自動化の方法を覚える(設定する)のに投資した時間は取り戻せるどころか何倍にもなって返ってくる。
Get Started + 1の大事さ
「とりあえず使ってみる、試してみる」ていう行動のハードルを高く設定してる人が世にはたくさんいると思う。(Gruntやgulpに限った話ではないけど。) WSKはタスクランナーを使ってみることへのハードルを下げてくれると思う。こういう存在ってすごく大事。
Get Startedのハードルを低くして、そのあとの+1に辿り着く人を一人でも増やせたら、それはいずれ色んな人が幸せになるかもしれない可能性につながるはず。そういう面でWSKの登場は歓迎しているし、すごく良いプロジェクトだと思う。
Web Starter Kitから見える未来
このポストのタイトルはせんちゃんの記事のパクリなんだけど、Webの未来を変えるのは仕様だけじゃないと思ってる。
開発を支えるツールもいっぱい出てきていて、皆が自動化や効率化に励んでいる。でもやっぱりそういったツールやベストプラクティスを使わない(知らない)で開発をしている人はまだまだたくさんいて、削れるはずの時間を費やしてる。
今より多くの人がそういったツールを使うようになれば、ツールだったりサービスだったり、新しい何かが生まれる可能性がもっと増えると思う。そこで生まれたものがまた多くの人に影響を与えるかもしれない。可能性の連鎖。
Web Starter Kitの役目は「Web Starter Kitが用意しているものを当たり前のように知っている人を増やす」ことなのかも。その時がきたらWeb Starter Kitは役目を終えると思う。
願わくばその未来が早めに来ますように。